ローカルLLMの費用回収:削減できる月額から電気代を引いて比べる
GPU初期費用13万円・月額削減3,000円・電気代651円という仮定なら単純回収は約55.3か月。契約を維持する場合との違い、測定済みベンチマークの範囲を整理します。
元を取れるのは、実際に減らせる支出があるとき
GPUを買ってもクラウド契約を同じまま続けるなら、その月額を節約額にはできません。まず「解約・減額できる月額」を決め、追加でかかる電気代や保守費を差し引きます。API従量課金を使っている場合は、実際に減らせる利用料を同じ欄へ入れます。
仮定を固定した計算例
以下は既存の bench/config.mjs に置かれた計算用仮定を使う例です。現在の中古GPU相場、製品別料金、実測電力を確認した価格表ではありません。
| 入力 | 仮定 |
|---|---|
| GPUの初期費用 | 130,000円 |
| 追加消費電力 | 350W |
| 稼働時間 | 1日2時間、月30日 |
| 電力量単価 | 31円/kWh |
| 実際に減らせるクラウド費用 | 月3,000円 |
電気代は 0.350kW × 2時間 × 30日 × 31円 = 651円/月。月の差引節約額は3,000 − 651 = 2,349円です。GPU代だけを回収する単純な期間は130,000 ÷ 2,349 ≒ 55.3か月となります。
旧稿の約43か月は初期費用を月額で割っただけで、電気代を差し引いていませんでした。上の55.3か月もPC本体、待機電力、冷却、故障、設定・保守の時間、税、資金の時間価値を含まないため、総保有コストの回収を保証しません。
| 実際に減らせる月額 | 電気代だけを引いた節約額 | 初期費用の単純回収期間 |
|---|---|---|
| 0円(契約を維持) | −651円 | 回収できない |
| 3,000円 | 2,349円 | 約55.3か月 |
| 15,000円 | 14,349円 | 約9.1か月 |
| 30,000円 | 29,349円 | 約4.4か月 |
月15,000円の行は「5人なら必ずこの節約になる」という意味ではありません。人数分の契約を実際に減らせることと、共有GPUの処理量・待ち時間が業務を満たすことが必要です。稼働時間が増えれば電気代も計算し直します。
品質は過去のベンチマークと、実際の仕事の両方を見る
J-WorkBenchの2026年6月6日記録では、品質はタスクごとの採点を重み付けした指標です。総合点には速度、経済性、ローカルで使えることへの評価も入り、総合点が高いことと品質が高いことは同じではありません。
その記録から一部を抜き出すと、次の結果です。値は当時の課題・設定・採点方式に限った score01 × 100 です。
| カテゴリ | クラウド群の最良値 | qwen2.5:14b |
|---|---|---|
| 議事録 | 91 | 92 |
| メール | 100 | 100 |
| 規程RAG | 99 | 77 |
| 契約照合 | 100 | 81 |
| 表/CSV | 98 | 56 |
ルーブリックの一部はClaudeによるAI採点です。独立した専門家の評価ではありません。長文課題は全モデル満点となり、問題文に答えが明示されすぎているという既知の制約があります。現在の全モデルの優劣や、業務をその割合だけ自動化できるという主張には使えません。今回、モデルの再実行はしていません。
機密性と処理量は、費用とは別に確認
ローカルでモデルを動かしても、連携ツール、外部検索、ログ転送などが通信する構成はあります。「手元で起動するからデータが一切外に出ない」とは判断せず、接続先と設定を確認します。組織で扱うデータは、承認された環境と規程に従います。
ローカルにもVRAM、処理速度、同時実行数、コンテキスト長などの制限があります。定額サービスの回数制限がなくなることを「無制限」と呼ぶのは不正確です。実際の文書長・同時利用人数で待ち時間と再作業を測り、必要な品質を満たせる範囲を決めます。
自分の条件へ置き換える
「初期費用 ÷(減らせる月額 − 追加の月額費用)」を使います。分母が0以下なら、この支出削減だけでは回収できません。まず架空データで代表タスクを試し、レビュー時間も含めて比較してください。ベンチマークの方法論と再現手順を入口にできます。
2026年9月20日訂正:電気代を含む回収式へ修正し、最新価格と誤認する製品名付きの概算表、「上限なし」「機密なら唯一解」という断定を除きました。
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2026年6月6日のJ-WorkBench保存記録を読み解きます。クラウド比66〜87点という相対指標、カテゴリ別の品質、AI採点の制約を整理。実業務を同じ割合で自動化できるという測定ではありません。
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